「不動産投資」とひとくちに言っても、実はたくさんの種類があります。そのため、不動産投資を検討している人の中には、どの不動産投資を行うべきか?と悩んでいる方も多いでしょう。
そこでこの記事では、不動産投資の種類にはどのようなものがあり、それぞれの利回りやリスクがどの程度かを解説していきます。不動産投資を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
不動産投資の種類とは?利回りやリスクも解説

この記事で解説する不動産投資の種類、および利回り・リスクは以下の通りです。
投資の種類 | 利回り | リスク |
アパート経営 | 普通~高い | 普通~高い |
マンションの一棟投資 | 高い | 高い |
区分マンション投資 | 低い~普通 | 低い~普通 |
駐車場経営 | 低い | 低い |
土地信託 | 低い | 低い |
基本的に投資の利回りとリスクは連動するので、上記のように利回りとリスクは同じになるという前提で解説していきます。もちろん、エリアや個々の物件によって利回りとリスクは異なります。そのため、この記事で解説する「利回り」に関しては、あくまで参考程度に認識ください。
また、今回紹介する不動産投資の中では、アパート・マンション経営・区分投資のような「賃地物件の運営」が一般的でしょう。ただ、賃貸物件運営以外にも不動産投資は存在するので、その代表格である駐車場経営や土地信託についても補足的に解説します。
アパート経営
アパート経営については以下を知っておきましょう。
- アパート経営のパターン
- アパート経営の利回りとリスク
アパート経営のパターン
アパート経営の代表的なパターンは、すでに保有している土地にアパートを建築するパターンです。その際は、アパート経営全般についてアドバイスしてくれる不動産会社に、土地の仲介や建築を含めて依頼します。ほかにも、土地を購入してアパートを建築するというパターンや、中古の一棟アパートを購入するというパターンもあります。
アパート経営の利回りとリスク
アパート経営の利回りは、今回紹介する不動産投資の中でも最もブレが大きいといえます。というのも、アパートは木造のケースも多く、木造は鉄筋コンクリート造などと比べて築年数による価格差が激しいからです。
たとえば、地方の築古アパートを中古で購入する場合、1,000万円を切っている物件も多数あります。中には数百万円で購入できる物件もあり、そのような物件は価格が安いので利回りが20%近い物件もあるほどです。
とはいえ、そのような物件は空室リスクも高いため、きちんと収益性を見極める必要があります。利回りが安定しているアパート経営をしたければ、都内など需要の高い場所に新築で建築するアパート経営になるでしょう。
マンションの一棟投資
マンションの一棟投資についてはメリット・デメリットを解説していきます。マンション一棟投資は、前項で解説したアパート経営の「アパート」がマンションに置き換わった投資とお考え下さい。
マンション一棟投資のメリット
マンション一棟投資のメリットは、やはり資産額の高さによる収益性の高さです。築年数やエリアなどの条件にもよりますが、マンション一棟投資は今回紹介する不動産投資の中で、最も高額な物件(資産)になります。
不動産投資の収益は「保有資産額×利回り」で計算されるので、保有している物件の資産額が高いほど収益性も高くなりやすいです。もちろん、投資に成功しているという前提ではありますが、マンション一棟投資は保有資産額も高いので収益性が高くなりやすい点がメリットといえます。
利回りに関しては、マンション一棟投資はアパート経営ほど格安物件はないので、異常に利回りが高い物件も少ないです。たとえば、都内でいうと実質利回りで5~7%ほどが相場といえます。
マンション一棟投資のデメリット
ただし、マンション一棟投資は初期費用が高いという点がデメリットです。マンションは基本的に鉄筋コンクリート造ですし、アパートよりも規模が大きい物件が多いです。そのため、建築費だけで億単位の費用がかかることも多く、土地も取得するとなると非常に高額になります。
言い換えると、ローンの借入額が高額になる分、空室率が想定より高くなると「キャッシュフローが回らなくなる」というリスクがあるということです。
区分マンション投資
区分マンション投資については以下を知っておきましょう。
- 区分マンション投資とは?
- 区分マンション投資のメリット
- 区分マンション投資のデメリット
区分マンション投資とは?
区分マンション投資とは、区分(1部屋)マンションを取得して、そこに賃付けする投資になります。前項までが「一棟」であるのに対して、区分マンション投資は「一室」である点が特徴です。
区分マンション投資のメリット
区分マンション投資のメリットは、一棟ではなく一室なので基本的に取得費用が安価な点です。たとえば、同エリアで同条件(築年数など)の物件だと、アパート一棟やマンション一棟よりも規模的に区分マンションの方が安価になります。
区分マンション投資のデメリット
ただし、一方で利回りが低い傾向にある点は区分マンション投資のデメリットでしょう。もちろん、物件にもよりますが都内の区分マンション投資であれば、実質利回りが5%を切る物件も多いです。そのため、いかに空室率を低く抑え、資産価値の下がりにくい物件を取得できるかが特に重要となります。
駐車場経営
駐車場経営には大きく分けて以下2種類あります。
- 月極駐車場経営
- コインパーキング経営
月極駐車場経営は、自分の保有している土地を月単位で貸し出すことです。具体的には、不動産会社に月極駐車場利用者の募集をお願いして、希望者が現れたら駐車場の賃貸借契約を結びます。そして、毎月「駐車場利用料金」として定額を徴収するというのが月極駐車場経営です。
一方、コインパーキングは一時貸しの駐車場のことです。一般的には、コインパーキング業者に設備の設置などをお願いし、利用した時間に応じて料金を徴収する仕組みになります。利回りは数値としては不明ですが、収益性は低いものの初期費用が安価なのでリスクも小さいのが特徴です。
土地信託
土地信託とは、信託銀行などに自分の土地を信託することです。言い換えると、自分の土地の活用方法を信託銀行などに依頼し、その土地活用によって得た利益の一部を還元してもらうという投資方法になります。
そのため、土地ありきの投資方法となるので、基本的にはすでに土地を保有している人が「土地の活用をどうするか?」悩んでいるときに選択する投資方法です。土地信託も、仮に信託先が土地活用に失敗すれば、予測していた報酬がもらえないというリスクがあります。
ただ、自分の建物建築費用を捻出する必要がないなど、初期費用はほぼゼロなので、その点を加味してリスクは低いといえるでしょう。ただし、信託先に手数料を支払う関係で、どうしても収益性(≒利回り)も低くなってしまいます。
不動産投資の種類まとめ

このように、代表的な不動産投資の種類である、アパート・マンション経営、区分投資をまずは理解しておきましょう。基本的に利回り(≒収益性)とリスクは連動し、特に初期費用がどのくらいかかるのか?については良く知っておいた方が良いです。その上で、自分に合った種類の物件を選定しないと、想定している収益を出すことはできません。