不動産投資で成功するためには収益シミュレーションが重要です。しかし、特に初心者の方は「そもそもどのようにシミュレーションするのか?」という疑問を持つ人も多いでしょう。
そこでこの記事では、不動産投資の収益シミュレーションの仕方を解説します。具体的に、利用できるツールやアプリを紹介していくので、検討物件をシミュレーションするときに参考にしてみてください。
目次
不動産投資におけるシミュレーションツールを活用する理由は?

不動産投資の収益シミュレーションを紹介する前に、シミュレーションツールを活用する理由を解説していきます。不動産投資において、シミュレーションツールを活用すべき理由は以下の点です。
- 収益を自分で算出するのは困難
- 無料で利用できるツールも多い
不動産投資を行う前に自分で勉強し、物件の収益性を独自に調べることは重要です。その上でシミュレーションツールを利用する…という認識をしておくと良いでしょう。
収益を自分で算出するのは困難
まずは、収益を自分だけの力で算出するのは困難だからです。というのも、家賃収入は将来的に下落していきますし、空室も発生します。もちろん、自分なりに調べてみる必要はありますが、定量的なデータでも確認するのがベストです。
そこで、シミュレーションツールを活用することで、そのツールを運営している不動産会社などの膨大なデータを基にシミュレーションできます。そのデータを利用することで、効率的に将来の収益性を測ることができるのです。
無料で利用できるツールも多い
一昔まであれば、投資物件のシミュレーションを無料で行うことは難しかったです。というのも、今ほどデータ化された情報がなかったので、属人的な作業が多く時間がかかってしまうからです。
しかし、今はデータは勝手にストックされ、そのデータをAIが分析するだけなので無料で利用できるシミュレーションツールも多くあります。そのツールを使うデメリットはないので、投資物件の収益性を測るためにどんどん利用しましょう。
不動産投資のシミュレーションソフト&アプリの紹介

では、この章では不動産投資のシミュレーションツール&アプリである以下を紹介します。
- VALUE AI
- キャッシュフローシミュレーター(オリックス銀行)
- Gate.
VALUE AI
まず紹介するツールはVALUE AIです。VALUE AIは、マンションディベロッパーのコスモスイニシアが提供するツールであり、AI(人工知能)を活用したシミュレーションができます。
シミュレーションするときは、区分や一棟などの物件タイプを選択し、価格や住所・築年数など最低13項目を入力します。そうすると、入力したデータとVALUE AIのビックデータによってAIが勝手にシミュレーションしてくれ、以下のような項目が長期的な推移グラフとなって算出されるという仕組みです。
- キャッシュフロー
- ローン残債
- 資産価値
- 減価償却
コスモスイニシアは分譲マンションをメイン事業としていますが、50年以上不動産事業を営んでいる実績があります。その実績に基づくデータによりシミュレーションできる点が特徴といえるでしょう。
キャッシュフローシミュレーター(オリックス銀行)
次に紹介するのはオリックス銀行が提供するキャッシュフローシミュレーターです。このシミュレーターの特徴は以下になります。
- ローン返済を物件の収益で賄えるか?をシミュレーション
- AIを組み合わせたシミュレーター
- 家賃下落と空室率を加味する
- 最長50年間のキャッシュフローを算出できる
不動産投資をする際は不動産投資ローンを利用するケースが大半です。ローン返済額はランニングコストの中で最も高額になりやすく、このツールなら返済金額を加味してシミュレーションすることができます。また、オリックス銀行独自のデータから、家賃下落率と空室率を加味したシミュレーションができるのが特徴です。
Gate.
次に紹介するのはGate.というシミュレーションツールです。Gate.の特徴は以下になります。
- 1億件超の不動産データを基にAIがシミュレーション
- 将来的な賃料と価格推移をシミュレーション
- 自動でシミュレーション資料を作成
Gate.は、元々法人用のサービスです。つまり、不動産会社が不動産投資を検討している顧客に、物件の収益性を説明するために開発されたツールになります。
ただ、個人の顧客も利用することができ、元々は説明用資料が自動的につくられるので初心者でも理解しやすい点は特徴といえるでしょう。
東急リバブルの収益シミュレーション
東急リバブルの収益シミュレーションは、今回紹介する中では最も簡易なシミュレーションツールです。そのため、まずは簡易的にシミュレーションしたい…という方は、東急リバブルの収益シミュレーションを使うと良いでしょう。
使い方はWeb上から以下を入力します。
- 物件価格
- 購入経費
- 自己資金
- 借入額
- 借入期間
- 金利
- 年間予定賃料収入
- 予想稼働率
- ランニングコスト
上記を入力すると、想定される年間収益や利回りなどが算出されるので、物件の収益性を一目で見ることができます。ただし、あくまで簡易的なシミュレーションなので、詳しいシミュレーションをしたい人は前項までのシミュレーションを利用しましょう。
不動産投資のシミュレーション(エクセル版)の紹介

次に、不動産投資のシミュレーションツールの中でも、エクセルを利用してシミュレーションする以下のツールを紹介します。
- IRRによる不動産投資収益計算Excelシート(Lite版)
- REIFA(リーファ)
IRRによる不動産投資収益計算Excelシート(Lite版)
まずは、 IRRによる不動産投資収益計算Excelシート(Lite版)を紹介します。そもそもIRRとは、Internal Rate of Returnの略称であり、「内部収益率」と訳されます。
簡単にいうと、将来売却することを見据えた上で、その価格で購入するのは適正か?を算出することです。つまり、物件運営だけではなく、その後の出口(売却)戦略も加味したシミュレーションができるルーツになります。
また、IRR以外にも以下も算出できるツールであり、多くの要素をシミュレーションできるツールといえるでしょう。
- 表面利回りや実質利回り
- 経費率
- 税引後キャッシュフロー
- ローン返済額や返済シミュレーション
- 減価償却のシミュレーション
- 必要経費や税金費用
REIFA(リーファ)
次に紹介するのはREIFA(リーファ)です。REIFAは、将来的なキャッシュフローや税金などを加味した上で、家賃収入(インカムゲイン)がどのくらいか?を算出してくれるツールになります。
また、前項の「IRRによる不動産投資収益計算Excelシート」と同じく、売却(キャピタルゲイン)も見据えたシミュレーションが可能な点も特徴です。
無料版は簡易なので、前項で紹介した「IRRによる不動産投資収益計算Excelシート」よりは要素は少ないです。ただ、「IRRによる不動産投資収益計算Excelシート」の要素が多すぎる…と感じる人は、無料版のREIFAを利用してみると良いでしょう。
まとめ

今回紹介したツールを全て利用する必要はありません。また、同じような性質を持つツールもあるため、自分と相性の良さそうなツールを利用してシミュレーションをしましょう。
そして、不動産会社からヒアリングしつつ、そのシミュレーションを参考に最終的には自分の判断で収益性を確認するという流れです。つまり、あくまでシミュレーションは参考に過ぎず、最後は自分で判断する必要があります。