不動産投資ローンは繰り上げ済すべき?メリット・デメリットを解説

不動産投資ローンを組んだ後は「繰り上げ返済」ができます。繰り上げ返済とは、元本を返済することであり、それは一部でも全部でも構いません。一見、繰り上げ返済することで元本が減り、総返済額が減るのでメリットしかないと思う人もいると思いますが、実はデメリットもあります。そこでこの記事では、不動産投資ローンの繰り上げ返済にフォーカスを当て、そのメリット・デメリットを詳しく解説していきます。

不動産投資ローンの繰り上げ返済とは?

まずは、不動産投資ローンの繰り上げ返済の仕組みを知っておきましょう。その点を知らないと、繰り上げ返済すべきかどうかの判断ができません。不動産投資ローンの繰り上げ返済は以下2種類あります。

  • 期間短縮型
  • 返済額減額型

どのくらい期間が短縮されるか?返済額が減額になるか?は、借入状況によって異なります。

期間短縮型

期間短縮型とは、繰り上げ返済することで借入期間を短縮することです。たとえば、借入期間30年でローンを組んでいて、ローンの一部を繰り上げ返済したとします。そうなれば総返済額が減るので、当初予定していた「30年間」ローンを返済する必要がなくなり、期間が短縮されるというわけです。ただ、期間短縮型の場合は毎月返済額は変わりません。

返済額減額型

一方、返済額減額型とは、期間ではなく返済額を減額させるタイプです。たとえば、前項と同じく借入期間30年、毎月の返済額が10万円のローンを組んでおり、借入期間中に一部繰り上げ返済するとします。そうすれば総返済額が減り、その分「月々返済額」を減額させることができるというわけです。ただ、期間短縮型と違い、返済額は減額しますが借入期間は30年のままです。

不動産投資ローンの繰り上げ返済のメリット

前項で、不動産投資ローンの繰り上げ返済には2種類あり、その違いは何か?について分かったと思います。次に、不動産投資ローンで繰り上げ返済するメリットである以下について解説していきます。

  • 総返済額or毎月の負担額が減少する
  • 返済不能時のリスクを小さくできる
  • 頭金の設定額を低くできる

総返済額or毎月の負担額が減少する

最も大きなメリットは、やはり総返済額が減る…もしくは毎月の負担額が減少するという点でしょう。この点については以下を解説します。

    • 具体的な違いとは?
    • どちらが良いか?

具体的な違いとは?

仮に、借入金額3,000万円、元利均等返済で金利2.5%の借入をした場合を想定してみます。この場合で、借入から5年後に500万円繰り上げ返済した場合、返済額や期間は以下のようになります。

項目 当初借入 繰り上げ返済後
期間短縮 返済額減額型
返済総額 42,672,839 39,019,901 40,943,611
月々返済額 118,536 118,536 96,105
返済期間 30年 24年 30年

このケースで、「期間短縮型」を選ぶと借入期間が30年が24年に期間が短縮され、「返済額減額型」を選ぶと毎月返済額が22,431円減額されます。

どちらが良いか?

前項のように、期間短縮型も返済額減額型もメリットがありますが、それぞれを比較した時の特徴は以下の通りです。

  • 期間短縮型:総返済額が減る
  • 返済額減額型:毎月のキャッシュフローが改善する

まず、期間短縮型の方が返済する期間が減る…言い換えると利息を支払う期間が減るので、総返済額は返済額減額型よりも減ります。一方、返済額減額型は毎月の返済額が減るので、毎月の支払いが楽になりキャッシュフローが改善するのです。

せっかく元本を減らすために繰り上げ返済をするので、総返済額が減る期間短縮型を選ぶ人が多いですが、キャッシュフローを改善させたければ返済額減額型を選ぶと良いでしょう。

返済不能時のリスクを小さくできる

2つ目のメリットは、返済不能時に起こり得る以下のリスクを小さくできることです。

  • 競売になることもある
  • 自己破産も考えられる

不動産投資ローンを組むと、ローンを組んで取得した物件に金融機関が抵当権(担保)を設定します。そのため、仮に借入者が返済不能になれば競売にかけられるリスクがあり、競売は極めて安い金額で売却されるためローンが残ってしまうリスクがあるのです。

また、あまりに高額なローンが残った場合で、さらに将来的に分割返済も無理な場合は自己破産も考えられます。しかし、繰り上げ返済することで元本を減らすことができるので、返済不能になるリスクを和らげることができるのです。

頭金の設定額を低くできる

3つ目のメリットは、頭金の設定額を低くできるという点です。というのも、後述するデメリットも含めた「繰り上げ返済の仕組みを理解すれば、将来的に繰り上げ返済することを前提に借り入れることもできます。そうすれば、一旦自己資金を頭金に入れず手元に残しておくことができるというメリットにつながります。

自己資金を手元に残しておけば、突破的な支出に対応できる点がメリットです。突発的な支出とは、収益物件が空室になったり、プライベートでまとまったお金が必要になったりするときなどです。手持ち資金があればこのようなときにも対応できるので、頭金を入れずに手元に残しておくのはメリットになります。

不動産投資ローンの繰り上げ返済のデメリット

一方、不動産投資ローンで繰り上げ返済すると以下のデメリットもあります。

  • 手元資金が減る
  • 金融機関との関係が悪化することがある
  • 手数料がかかる

手元資金が減る

1つ目のデメリットは、手元資金が減るという点です。上述したように、手元に資金を確保しておくことで、突発的な支出に対応できます。しかし、その手元資金を繰り上げ返済に使うということは、このような支出に対応できないということです。そのため、繰り上げ返済するときは、金額をきちんと見極める必要があります。

金融機関との関係が悪化することがある

2つ目のデメリットは、金融機関との関係が悪化することがある点です。というのも、金融機関からすると、不動産投資ローンは「不動産運営」という事業への投資です。そして、事業への投資なので回収(返済)期間を長くし、少しでも利息(金融機関の儲け)を得たいのが金融機関の本音になります。

つまり、借入者が繰り上げ返済するということは、金融機関からすると「利益の圧迫」になるので快くは思わないのです。不動産投資は、同じ金融機関に借入をして物件を増やしていくというパターンがあります。そのため、金融機関との関係が悪化すると、事業規模を拡大しにくというデメリットにつながることがあります。

手数料がかかる

3つ目のデメリットは、手数料がかかるという点です。この点は大きなデメリットになりかねないので、金融機関を選ぶときは十分注意した方が良いでしょう。金融機関の中には、一括繰り上げ返済することで「返済額(残債)×1%~2%」の手数料を取ることもあります。

つまり、繰り上げ返済することで数十万円の手数料がかかる場合があり、その場合は繰り上げ返済する効果が極めて小さくなります。そのため、手数料をしっかりと確認し、元金がいくら減るか?を確認してから繰り上げ返済するかどうかの判断をしましょう。

不動産投資の繰り上げ返済まとめ

まずは、不動産投資の繰り上げ返済には期間短縮型と返済額減額型の2種類ある点を覚えておきましょう。また、繰り上げ返済することで総返済額が減るというメリットはありますが、一方で手数料があるなどのデメリットもあります。そのため、上述したメリット・デメリットをしっかり理解した上で判断すると良いでしょう。