築年数の古い建物を「古家」と呼びますが、古屋は築古物件なので通常の物件とは売却するときの注意点が違います。それは、古屋を残したまま売却した方が良いか?更地にしてから売却した方が良いか?という点です。この記事では、古屋のまま売るか?更地にして売るか?という点を、それぞれのメリット・デメリットを踏まえて詳しく解説していきます。
目次
古屋付き土地の売却or更地どちらが良い?

まず、古屋付き土地として売却する方が良いのか?更地にして売却する方が良いのか?は、それぞれの特徴を理解しておくことが重要です。この2つの売却方法を、以下の項目で比較していきます。
- 土地の形状や周辺環境を確認のしやすさ
- 建物への印象
- 用途変更の有無
- 居住できるか否か
土地の形状や周辺環境を確認のしやすさ
古屋付き土地 | 更地 |
△ | ◎ |
まずは、更地の方が土地の形状や周辺環境を確認しやすい点は、更地にしてから土地を売却するメリットといえます。土地の購入を検討している人の大半は、自分が一戸建ての建築を検討している人です。投資用アパートの建築を検討している人などもいますが、いずれにしろ「住宅」を建築することが目的の場合が多いでしょう。
そのため、周辺の建物との距離感はどうか?家を建築したときの日当たりはどうか?という点を確認したいと思っています。更地であれば建物がないため、このような確認もしやすいので検討者にとってはプラスというわけです。建物があると、検討者からするとどうしても見にくい箇所ができてしまいます。
建物への印象
古屋付き土地 | 更地 |
△ | なし |
当然ながら、建物の印象は更地であれば良く悪くもありません。一方、古屋付き土地の場合は、検討者が悪い印象を持つケースがあります。というのも、古屋というは築古の建物であり、老朽化が進んでいる可能性が高いからです。
もちろん、その建物の保守管理状況によって老朽化具合は異なるので、古屋があるからといって必ずしも印象が悪くなるわけではありません。しかし、たとえば外壁がボロボロになっている…庭木が手入れされていない…などの状況だと、どうしても検討者の印象は落ちてしまうでしょう。
用途変更の有無
古屋付き土地 | 更地 |
× | ◎ |
用途変更とは、たとえば「駐車場として利用する」などを指します。古屋付き土地であれば、古屋が建築されているので用途変更することはできません。一方、更地であれば駐車場として利用することも可能なので、土地の売却が完了するまでは駐車場経営することもできます。
駐車場経営するときは、借主との間で賃貸借契約を結びます。しかし、建物の賃貸借契約と違い、基本的には1か月前に通知すれば契約解除は可能です。要は、土地の売却を本格的に行う…検討者が現れた…などのときは、すぐに駐車場経営を止めることができるのです。
ただし、コインパーキングにすると設備の導入など大がかりになるので、近い将来土地の売却を検討しているなら避けた方が良いでしょう。おすすめは、区画だけ簡単に明示する青空駐車場です。青空駐車場なら初期費用も不要ですし、前項の「土地の形状の確認」もしやすいというメリットがあります。
居住できるか否か
古屋付き土地 | 更地 |
○ | × |
また、居住できるか否かでいうと、当然ながら古屋は居住することが可能で、更地すると「建物に居住する」という選択肢はありません。たとえば、その古屋に現在も居住中なのであれば、解体して更地にすることで「新しい物件探し」という手間がかかります。
もちろん、土地を売るということはいずれ退去することになるのですが、入居先が見つからない状態で更地にするなら、仮住まいの検討も必要です。つまり、古屋があれば一旦はその家に居住したまま、ゆっくりと新居を探すことが可能ということです。
古屋付き土地の売却or更地チェックポイント

さて、前項で古屋付き土地の売却と更地の売却において、4つの項目で比較しました。その比較によっては、何となくどちらが自分に合っているか分かったでしょう。次は、さらに選択肢を絞るために以下のチェックポイントを知っておきましょう。
- 古屋は瑕疵担保責任に要注意
- 解体費用の相場
- 迷ったらプロに相談する
古屋は瑕疵担保責任に要注意
古屋付き土地として売却する場合は、瑕疵担保責任に気を付けなければいけません。瑕疵担保責任とは、建物に瑕疵(≒欠陥)があったとき、売主が「補修費用の支払い」などの責任を負うことです。また、瑕疵担保責任が売主にあると判断された場合、引渡し後でも契約が解除される場合があります。
古屋ということは築古物件であり、ほかの建物より瑕疵が存在する可能性は高いでしょう。そのため、古屋付きで土地を売却する場合は、瑕疵担保責任の期間を「引渡し後から3か月以内」という短期間に設定したり、そもそも「瑕疵担保責任免責(責任なし)」という条件で契約したりという対策をすると良いです。
ただし、「知っていたのに伝えなかった瑕疵」については、悪意のある瑕疵として上記の設定をしても責任は追及されます。
解体費用の相場
仮に、古屋を解体して更地にして売却する場合は、以下の解体費用の相場を頭に入れておきましょう。
構造別の相場 | 20坪 | 30坪 | 40坪 | 50坪 |
---|---|---|---|---|
木造 | 32,000円 | 29,000円 | 28,000円 | 28,000円 |
鉄骨造 | 29,000円 | 34,000円 | 32,000円 | 37,000円 |
鉄筋コンクリート造(RC) | 38,000円 | 58,000円 | 40,000円 | 46,000円 |
注意点は、上記はあくまで目安金額ということです。実際は、建物の形状や構造、周辺の道路状況などによって金額は異なるので、実際の解体費用は解体業者へ見積もり依頼しましょう。その解体費用を加味した上で、解体する否かを判断するという流れです。
迷ったらプロに相談する
ここまで読んでも、まだ古屋付きで売却するか更地で売却するか、判断しかねるケースもあると思います。古屋を解体すると元には戻せませんので、迷うのは無理もありません。その場合は、プロである不動産会社に相談しましょう。
というのも、実績と経験豊富な不動産会社であれば、古屋付きの土地を売却したこともあれば、解体して更地として売却したこともあるからです。つまり、今までの実績と照らし合わせて、自分の古屋付き土地の場合は解体した方が良いのかどうか、適切な判断をしてくれます。そのため、まずは不動産会社に査定依頼して、詳しく話を聞いてみると良いでしょう。
古屋付き土地の売却まとめ

このように、古屋付き土地で売却するか、更地として売却するかは、それぞれメリット・デメリットが違うので悩みどころです。上述した点を踏まえつつも、やはり最終的にはプロである不動産会社に相談してから決めた方が良いです。そんな不動産会社探しにおすすめなのが、「イエウール」というサイトになります。
イエウールなら手間なく一括で複数社へ査定依頼できるので、その査定結果の根拠を比較して優良な不動産会社を見極めましょう。ポイントはきちんと古屋付き土地であることを伝え、更地にするかどうか迷っていることも伝えることです。そうすれば、その点を踏まえて相談することができます。